「社長、それは変化が重要なことであるという風土を作れていない経営に問題があります」
会社経営において必要なことを3つに絞って言うとすると、⑴収益をあげること ⑵仕組みを創ること ⑶変化を生めることという感じではないかと感じます。私たちが常々お話させていただいていること、「デジタルシフトとはチェンジマネジメントの一環であり、一環でしかない」という主旨でお伝えしている通り、デジタルシフトはデジタルのことを理解していることなんかよりもよっぽど「変化に耐えうる土壌ができているか、これからでも作れるか」が重要です。では、普段からどんなことをしている会社がその変化を作れるのか、記述させていただきます。
▶どのような習慣がある会社が、変化に強い会社になっているのか?
⑴経営理念・ビジョンを徹底的に浸透させている
⑵経営陣を中心に新しきを学ぶことをやめない
⑶外部人材を十二分に活用できている
⑷新卒採用をしている
⑸常に変化に対するメッセージが発信されている
⑴経営理念・ビジョンを徹底的に浸透させている
⇒大前提として目的のない変化に耐えられる人は人類の中にかなり少ないということを理解する必要があります。AIやらDXやらバズワード(流行りの言葉)に流されているだけではなく、本質的な変化を遂げていく企業のほとんどにおいて、その変化が理念やビジョンの実現から逆算された必要不可欠なものであると認識されています。これはその浸透ができていなければ絶対に起こり得ないことですが、これがチェンジマネジメントの難易度を極端に変えてしまうといっても全く過言ではないものです。まずは変化を謳う前に、「なぜ変わらなければならないのか、その不変の根源は何なのか」ということを改めて繰り返し共有する必要があるということです。当たり前のことですが、98%の企業では大してできているものではなく、立派なホームページやクレドカードを作ったところで満足している経営者がほとんどだと感じています。
⑵経営陣を中心に新しきを学ぶことをやめない
⇒素晴らしいと想える企業の経営者に共通することは、新しい学びを止めないということです。例えば、ただ社員に新しいことを調べさせて、それを客観的に批判だけする経営者によって腐敗していく組織を何度か見ています。また、現場の疲弊に気づかず「うちはやれるだけのことはやっている」と豪語し、現状を正当化し、よい変化を創れない経営者もまたたくさん見てきています。本来、必要であることは、自社の経営において学ぶべきことをしっかり学ぶことだと考えます。某上場企業のNo.2で、今ご自身がトップとなりかなりのスピード成長で経営なされている方は、私たちのような専門的な知見を持つ人間と定期的にコンタクトをとり、常に新しい情報を入手されているのを見ています。ぜひ気が向けばこちらからコンタクトを(笑)
⑶外部人材を十二分に活用できている
⇒外部人材、いわゆるフリーランスをはじめとした卓越したスキル(技能)やノウハウ(知見)を保有している社外の人財のことです。意外と社内のリソース(資産)ですべてやらないといけないとお考えになられている経営者は多いように感じます。その理由は例えば「社内でやらないとノウハウが貯まらない」「業務委託費は人件費に比べて割高だから使いたくない」「機密情報が漏れたら嫌だ」などなど。様々な内容は出てきますが、正直今時でこのお話をされる大半の方は「経営のセンスがない」と言わせていただきたいくらいです。もちろん、経営の重要な部分は最終的には内製化すべきだと想いますし、確かに業務委託より雇用する方が圧倒的に安い、そして、関わる人数が増えれば機密情報は洩れるリスクは常にあります。一方で、社内でやらないとノウハウが貯まらないというのは管理が行き届いていないと宣言しているようなものだし、雇用は雇用なりの別のコストが様々かかることは言うまでもないし、社員と業務委託の機密情報漏洩リスクは今やさして変わりはありません。クラウドにデータをあげるのは危険だと考えているのと同じくらいバカげた考え方です。今の時代であれば、外部人材を登用し、⑴そのノウハウを社内の資産にできるように共有してもらいながら取り組むか、⑵その外部人材を社内に入ってもらうよう魅力付けしていくのが定石です。彼らに長く刺激されれば、社内も変わっていかなければならないという感覚に少しずつ変わっていくはずです。
⑷新卒採用をしている
⇒新卒採用を行うことの重大なメリットは、社内に「変化していかなければならない」という意識を植え付けられることだと考えます。新しい人財が入ると今までのやり方は少しずつ変えざるを得なくなってきます。マネジメントの仕方も変わるし、社内制度も変わる。社内での共通認識や共通の話題も変わっていくし、組織の中心が変わっていくはずです。これが常に行われていることは非常に重要なことで、やはり変化にしっかり順応している会社の多くは新卒採用を行うことで常に新しい風を送り続けています。経営において、変わり続けなければならない部分と、変わってはいけない部分の両方が存在していることは言うまでもないですが、大きな変化に耐えうる土壌を作る上で大事なことは社内の人財が常に新しい風に当たり続けることなのでしょうね。
⑸常に変化に対するメッセージが発信されている
⇒優秀な経営者ほど、社内に「変化すること」の重要性を説き続けているように想います。これは理念や行動指針を伝えていくのと同じくらい重要なことなのではないかと考えます。弊社でもこちらのページに記載している通り「Keep Changing(変わり続けろ)」というValue(価値観)を掲げています。これは変わることこそが生きることだという、変わることこそが経営だというそういった哲学、想いの表れ、です。常々変わっていくことの重要性が説かれており、その重要性に共鳴する人財が社内に揃っていれば、チェンジマネジメントというのはそう難しいことではないと考えます。デジタルシフトの第一歩は、経営者が常に変わっていくことの大切さを社内に説き続けることだということです。それは経営の責任だと想います。
当たり前の話でしかないですが、変わらなくていい会社など存在しません。「組織が生き残りかつ成功するには、自らがチェンジエージェントすなわち変革機関とならなければならない。変化をマネジメントする最善の方法が、自ら変化をつくりだすことである」とドラッカーも記述していますが、まさにこの通り自ら変化を創り出していくための取り組みをできることからぜひ始めてください。一歩ずつ階段を上がっていくところから始めることができるはずです。
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