「社長、それはWEBのことと事業のこと、両方のことを理解している人間があなたの会社の味方にいないからです」
「WEBマーケの会社に外注したけど、広告全然だめだった!」と嘆かれている経営者のご相談を聴く機会がよくあります。はっきり申し上げます。それ、あなたの責任です。正直に言って、外注もコンサルタントも、大抵の場合は使う側に問題があると私は考えています。それは使う側にも、使われる側の立場にもなってきてみて改めて考えている内容です。複数の記事を読んでいただいている方ほど「耳の痛い話だけしかしないじゃないか」と想うかもしれませんが、その上で何をすべきかを記述していきたいと考えます。
▶WEBを使ってちゃんと儲かる仕組みを創るために必要な3つのこと
①自社の事業における対象顧客を明確にすること
②対象顧客に接触できる手法を選定すること
③選定した手法において、アナログな経路と同じように魅力づけする打ち出しを行う
①自社の事業における対象顧客(ターゲット)を明確にすること
「当たり前のこと言うな」という方もいらっしゃるでしょうが、基本的にはここから始まることだと考えます。マーケティング担当者が自社にいらっしゃるか、はたまた外注されているかわかりかねますが、ほとんどの場合、この担当者は何かしらのWEBマーケティング手法に詳しいだけで、貴社のビジネスモデルの本質や対象顧客のことを理解できていない可能性が高いです。そして、その理解のない担当者に対して、あなたの会社ではその対象顧客について繰り返し詳しく教えることもなく、ただただ丸投げをする、そんなことになっていませんか? 例えば完全に広告代理店にインターネット広告の運用を依頼したとして、正しい対象顧客がどんな年齢層でどんなエリアにいてどんな職種(業種)でということを教え、その顧客に対し、どんな広告文言(キャッチコピー)が刺さるのか、どんなメリットに魅せられて購入または問い合わせをするのかを教える。それをしなければ結果など出なくて当然です。逆にそれを行うことで、33%ほど成功確率が上がります。これだけでは、不十分です。
その際にまず省みるべきポイントは「自社の対象顧客が誰なのかが明確になっているか」です。そして、その「明確な対象顧客を言語化して認識できているメンバーが(あなたも含めて)何人いるか」ということです。それができていないことが、WEBを使ったマーケティングを難航させる大きなポイントの一つではないでしょうか。
②対象顧客(ターゲット)に接触できる投資対効果の合う手法を選定すること
①については十分にできている、となれば話は大きく前進します。そうすると次はその対象顧客がWEB上においてはどこにいるのかを探る必要があります。同じ検索エンジンでもGoogleとYahoo!では利用者層は違います。検索エンジンとFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSでも利用者層はもちろん各顧客の心理状況も違います。専門的な一括見積りサイトへの掲載とポイント型で成果報酬の広告手法ではこれも全く異なる接触のタイミングになりますし、貴社だけを見つけたのではなく競合他社の情報も一緒にたくさん得ており、コンペになる可能性もあります。要するに、各手法によって利用者もその心境や彼らにとってのタイミングも全く異なるということです。
よくある失敗の起こりやすい事象として、テレアポなどで接触してきた広告代理店の営業マンの売り込みたい広告の話を聴いて、見切り発車で発注をしたケースがあります。社長や上司の気まぐれに近い意思決定を受けて、そのプロジェクトをそのまま引き継がざるを得ない担当者の気持ちを考えると胸が痛みます。重要なのは、手法から意思決定をすることではなく、対象顧客の性質を考慮した上で広告手法を確信犯で選定することです。その広告手法が貴社の商品・サービスの顧客獲得手段として、投資対効果が見込めるのかというのも確認が必要です。元々金額的に合わない手法に発注して、あとから怒っている経営者を見たことがあります。それは、意思決定者の無知の問題ですよね。
③選定した手法において、アナログな経路と同じように魅力づけする打ち出しを行う
ここにきて大事なのはその対象顧客への魅力的な打ち出し(キャッチコピー)です。ここでまた当たり前のことを書いてしまうのですが、基本的にWEBだろうがアナログな世界の話だろうが、基本的にはあなたの会社のお客様は、あなたの会社の商品・サービスに同じように魅力を感じていきます。というよりはそうあるべきです。何が言いたいのかというと、従来のやり方でお客様がお客様になってくれるのと同じ流れを、WEB上にも作るべきだということです。WEBだからと全く新しい打ち出しの文言を作るのではなく、基本的には同じように魅力を伝えられるための仕掛けをWEB上に作るのです。もちろん手法に応じて、少し応用は必要なのは事実ですが、基本的には特に何かが大きく変わることではありません。対象顧客がお客様になってくれるための魅力的な打ち出しをWEBでも行うだけです。WEB上に従来の流れを再現するためにどうしたらいいのかを考える、それだけなのです。そしてそれは広告代理店に任せてはいけない仕事です。その会社のビジネスモデル、対象顧客のことを十二分に理解した人間が熟考し、責任を持って行うべきことです。
「WEBだからできない」
「うちにはWEBに詳しい人間がいないからできない」
「広告代理店がダメだった」
そんなことを言っている状態を続けてはいけません。問題はWEBかどうか、ではなく、マーケティングの観点があるかないか、だと想います。マーケティング、自社の事業・顧客、WEB、というそれぞれの知見がある人間、もしくはその一部一部を理解している人間を招集し、力を合わせて進捗させることを考えてみてはいかがでしょうか。
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