14.なぜ既存の社内システムを改善すべきではないとあなたの会社にも言えるのか?

「社長、それはもう今の時代に合っていない可能性が高いからです」


 ある一定の規模になると、既存の社内システムがあり、それをその会社の経営陣はいかにも「あれだけの大金をかけて作ったものにケチをつけるな」とでも言わんばかりの形相で既存システムを守ろうとしていたりします。しかし、実際にはシステムというのは作ったその瞬間から劣化していくものであり、建物と性質的には全く同じものですが、それ故、建て替えるタイミングというのがどうしても必要になります。それをどういう基準で判断すべきなのかというポイントを下記にまとめていきたいと考えます。目を逸らすことで会社全体の首を絞めることのないように…


▶︎なぜ今システムを作り直すべきなのかがわかる5つのポイント

①開発以降大きな業務フローの変化が起きていないか?

②どんな開発言語を用いているのか?

③どんな画面になっているのか?

④API連携ができる構造になっているのか?

⑤データ活用を意識したデータベースが組まれているか?


①開発以降大きな業務フローの変化が起きていないか?

⇒開発してから大きな業務の流れの変更があったかどうか、例えばWEBの活用が始まっていたり、新たな商流が大きく増えていたり、ビジネスの構造に変化が起きているということが10年も経てば確実に存在するはずです(しないのも問題と言える)。当然これに対応できない作りになっていて当然なので、小さく改善していくことが可能なのか、それとも作り直す必要があるのかを分析する必要があります。時代に合わせた業務の変化があれば、システムも変化していく必要があるということですね。


②どんな開発言語を用いているのか?

⇒2013年頃によく使われていた開発言語が、今は下火になってきていたりと変化が激しい状況です。それ故、今システムに使われている開発言語が前時代的なものであったとしても、当時の担当者や開発ベンダーなどに責任を問うべきものではないでしょう。ですが、今後のことを考えると、いくつかの開発言語はこれ以上の追加開発を見送り、完全に開発し直し(リプレイス)する必要があると言えるでしょう。一度、専門家にも確認してもらう必要があるのではないでしょうか。


③どんな画面になっているのか?

⇒現代的なシステムでは、UI/UX(ユーザーが使う画面とユーザーの使い心地のこと)がかなり重要視されているのですが、これはざっくりといえば2010年以降くらいのムーブメントだったものが今は常識的に定着したと考えていただくとわかりやすいかな、と考えます。このため、この考え方がないシステムは無用の長物に近いと言っても過言ではありません。②にも関わってくるのですが、いわゆるExcelの延長線上にあるような見た目のサービスはもはや陳腐化していかないはずがないものであると考えていただくべきでしょう。今使えているかどうか、ではなく、これから使い続けられるのかということに着目してください。


④API連携ができる構造になっているのか?

⇒CSVという言葉が今もなお出てきてしまうシステムの大半は正直厳しい状態にさらされていると考えるべきです。現代はAPI連携と言って、リアルタイムに外部のシステムと連携するのが一般的になってきています。なので、それが全く想定されていないシステムというのはもう前時代的だと白状しているようなものです。新しくシステムを開発する場合もCSVという言葉は極力出てこない会社や開発者とプロジェクトを進めるべきとも言えます(連携したいサービス自体がCSVしか対応していないケースを除く)。


⑤データ活用を意識したデータベースが組まれているか?

⇒現代的なデータの考え方がなかった時代に組まれたシステムには、やたらとフリーテキスト入力が多かったり、全角や半角の数字を適当に入力できてしまう仕様になっていたりと、データの利活用を考えるとあり得ない仕様が随所に垣間見られます。まずは、どういう目的でデータを活用できるのか、もしくはすべきなのかという観点からデータ構造を見直す必要が出てくるというわけです。これを行うことで、当然現代ではデータ活用のスタンダードな技術になってきている機械学習をはじめとしたデータサイエンステクノロジーを活かすことができるようにもなるわけです。


 どれも言葉にすればかなりシンプルなポイントです。しかし、そのポイントポイントを実際に評価するとなるとそれなりに知見が必要になってくるというのもまた事実です。まずは現状分析から専門家の知見を交えて行い、その上で未来のために最適な意思決定を行うのがベターだと言えるでしょう。ちなみに、大体7年周期くらいでは技術は大きく変化を見せているので、せいぜいシステムの賞味期限は7年と捉えて刷新することも計画に含めた開発を心がけたいものですね。ぜひまずは専門家にご相談ください。


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Copel-デジタル経営コンサルタント

全国を股にかけ、アナログな業界のデジタルシフトに従事する株式会社リトルクラウドの経営コンサルタント、Copel。上場を視野に入れた複数社でのデジタルシフトに従事。新規事業開発から社内インフラの刷新、マーケティング戦略の立案やデータ分析体制の確立など多岐に亘ってのいわゆる『DX的業務』に貢献。DXとはチェンジマネジメントであるという経営視点からの認識と、広範囲を統括できる知識量、社内社外問わない卓越したリソースマネジメント手腕が高く評価されている。

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