経営者の本音.Ⅰ 「データ活用の不出来は私の不出来でした」

 デジタルシフトに悩む経営者の皆様がどのようにして、活路を見出しているのか、実際の事例とお客様の声をお届けしていくインタビュー企画。実名・匿名関わらず幅広くお届けしていければと考えています。本記事では、弊社代表神原が社外CDO(最高デジタル責任者)としてご支援してきた人材サービス企業A社のO社長のインタビューです。

ーはじめに自己紹介をお願いします。
O「ある特定の業界の技能を持った中途の人材紹介に特化した企業を経営しているOと申します。現在進めている取り組みがまだ水面下で行っているものなので、匿名でとお願いしています、すみません(笑) 」

ーリトルクラウドとの出会いはどのようなご縁だったか教えてください。
O「元々代表の神原さんを知り合いの経営者にご紹介いただきました。AIブームになってきていた時にAIの件で一度わかりやすく教えてくださる方に、弊社における可能性を教えていただきたいと考えご紹介いただきました。その当時の会話は親身に相談に乗っていただいただけでなく、素早くうちの状況をご理解いただけてとても頼もしかったのですが、まだAI云々というよりはまずマーケティングに関わるデータの精査から始めるべきではとご助言をいただき、改めてしっかりシステムにデータを貯めて、いずれ属人化している業務を少しでも平準化する準備をした方がいいということを理解しました。かなりのエネルギーと頭のキレを感じたので、いずれ何かでご一緒したいと考えていました」

ー依頼しようと考えたきっかけは何でしたか?
O「AI事業の方がひと段落され、何社かでCDO(最高デジタル責任者)に従事されているとのことを耳にし、うちも見てもらえないかと考えました。まだお若いですが、マーケティングからシステム活用、新規事業創出、デジタル人財の採用まで広範囲にプロフェッショナルな知見をお持ちの方を他に知らないので、壁打ち的に経営企画的な話をディスカッションできるだけでも有意義だろうと考え、月2回のアドバイザリー契約を結ばせていただきました」

ー実際に依頼してみていかがでしたか?
O「正直この1年での会社の変化は計り知れないものです(笑)まず第一に月次売上が大体平均1.4倍くらいになりましたが、これは完全に顧客データから特に成約が多く出るお客様をセグメント(分類し特定すること)できたことで、一人当たりの平均月次売上が大きく向上したことに大きく起因しています。実際に顧客データをかなり大まかにしか取れていなかったのですが、改めてアドバイスをいただきデータ入力項目を大きく変更し、見えていなかった成約との相関関係が見えたことが大きかったです。以前は社内のIT担当に『データ活用する方法を考えてくれ』とノウハウを持っていない社員に丸投げして、『なんでできないんだ』とむちゃくちゃなことを言ってしまっていました。ここは本当に知見をいただけて大きく変わりました」

ーデータの分析だけでも大きな効果に繋がったのですね。
O「はい。更にまだ業務システムの開発やBIツールの導入はしていなかったのですが、Googleスプレッドシートを活用して経営陣向けに重要なデータが全部集まるダッシュボードをお作りいただいたのです。確かこの辺りからアドバイザリーの範囲を超えて外部CDOとしての業務委託になりより広範囲でお力添えいただくようになったはずです。当時まだExcelの関数すら組める人間が実際にはいないということを認識していなかったのですが、社外人財でかなりスキルの高い人間を登用することもサポートいただいた上、自社の社員としての採用も推進していただき、だんだんとデータの扱いも内製化していくことができたのです」

ーデータを中心に組織が大きく変わってきたのですね。
O「まだまだたくさんあります(笑)それから紹介事業の方の人材募集についてもマーケティングの形が大きく変化しました。従来はスカウトできるダイレクトリクルーティングサービスにかなり依存していたのですが、広告運用などを活用しての自社での流入を創る仕掛けを0から構築していただきました。外注して3回ほど失敗していたのですが、それも広告代理店が悪かっただけではなく、自社としての強みを言語化できておらず明瞭なキャッチコピーなどが設計できていなかったことが要因なのだと反省も多かったです。今はあまりコストをかけないやり方で、コンテンツマーケティングという自社のメディアを創る取り組みも開始しています」

ーどういった点がリトルクラウドの強みだと感じましたか?
O「とにかく豊富な知見と本質的な切り口は尊敬の念すら抱くレベルです。神原さんもよくおっしゃっていますが、デジタルシフトやDXのコンサルティング会社ではなく、チェンジマネジメントを支援する会社なんだと。デジタルツールやらデータの方から弊社の経営にモノを言うスタンスではなくて、弊社の経営をいかに理想の状態に導くかというアプローチでご支援いただけるのが他の企業との大きな違いだと感じています。経営コンサルティングなんですよね。答えを教えてくれているのに、当然ではありますが(笑)こちらにうまく意思決定を委ねてもらっているので、しっかり社内のノウハウになるように蓄積してくれていることも実はありがたいことなのではないかと考えています」


ー今後どんなことを依頼したいと考えていらっしゃいますか?
O「ちょこちょこクラウドサービスの導入なども行ってきていただいていますが、そこを加速していきたいです。正直スプレッドシートの活用だけでもここまでこんなに変わるのかというほど変わったのですが、この構築済みのスプレッドシートを設計図にして自社用のシステムを創っていくことができると理解しているので、ここもご支援いただきたいです。今後、事業承継なども考えた時に自社の強みを活かしたIT系の事業を成立させて企業価値を創っていくことも同時に検討していかなければならないので、そこも他社様でやっていらっしゃると聴いているのでぜひご支援をお願いします!」


ー最後に御社の今後どんなチェンジマネジメントをしていきたいか教えてください。
O「とにかく、今まで社員のために、とか、社員に任せる、とか口では言ってきたことが結果的に社員を苦しめてきたことに気づかされるような気付きをたくさんいただいています。ですので、改めてお客様、社員とその家族、会社自体のそれぞれにとって幸せな事業・組織を創ることを誓っていきたいと考えます。無意識に悪しき意思決定をしてきた自分を省みながら、理念に忠実な変革を進めていきたいと考えています」

O社長、ご協力ありがとうございました。

MiLAI Brain

『Digital Power Inside』 『MiLAI Brain』は、デジタル機能を自社に内製化したいすべての経営者様のためのメディアです。 上場前後の成長企業を中心に、デジタル部署の内製化をメインにお力添えしてきているリトルクラウドが発信するリアルな現場✖デジタルシフトの知見✖経営目線で実用的な情報をお届けして参ります。 デジタル機能の内製化に悩むあなたのブレーンとなるメディアへ。

Copel-デジタル経営コンサルタント

全国を股にかけ、アナログな業界のデジタルシフトに従事する株式会社リトルクラウドの経営コンサルタント、Copel。上場を視野に入れた複数社でのデジタルシフトに従事。新規事業開発から社内インフラの刷新、マーケティング戦略の立案やデータ分析体制の確立など多岐に亘ってのいわゆる『DX的業務』に貢献。DXとはチェンジマネジメントであるという経営視点からの認識と、広範囲を統括できる知識量、社内社外問わない卓越したリソースマネジメント手腕が高く評価されている。

0コメント

  • 1000 / 1000