1.なぜ本気でデジタルを推進しようという人財があなたの会社にいないのか?

「社長、それはあなたが本気じゃないからでしょう」

よく相談の冒頭にいただく言葉が「うちの社員は恥ずかしながら皆アナログで・・・」という言い訳というか他責の文言が聞こえてくることはとても多い気がします。もちろん、事業上今まではそういった知見や経験が必要ではなかったのでしょうし、そういう人財を採用していなかったとしても不思議なことではありません。ただ、これについては一番最初に解決すべき課題の一つだと考えます。そして大抵は、少し固くなっている頭か、変に固執してしまっているこだわりをなくせば簡単に解決する問題だとも想います。

▶どうすればデジタル人材の登用が可能なのか?

①社内で登用できる人材を探し、そのレベルを見極める

②不足しているマネジャークラスの人間を、新規でキャリア採用する

③不足しているポジションにフリーランスを登用する


①社内で登用できる人財を探し、そのレベルを見極める

⇒まずは何のコストもなく、簡単にできることはもちろん社内から適任者を探すことです。正直に言えば、重要なことはデジタルの知見より、⑴現場を深く理解していること ⑵推進力があること ⑶素直で勉強熱心なことの3つが必要だと考えます。要は貴社の未来の経営人財です。もちろん願わくばデジタルの知見を持っていた方がいいです。ですが、中途半端な知見に固執され、目的ではなく手段に傾倒してしまうくらいの話であれば、その人財はポジションから外した方がいいと想います。中途半端な経営者ほど「私の会社にはちょっと詳しい人間がいて任せているから自分はよくわからない」という言葉を口にしますが、マーケティングもシステム開発もクラウドサービス導入も新規事業開発も、中途半端な知見でうまくいくほど簡単じゃありません。どのレベルの会社を目指すのかにもよるとは考えますが、大したことのないレベルの人間が「この会社では自分が一番わかっているから」と虚勢を張ってうまくいっているケースは見たことがないものです。特にデジタルマーケティングの一手法をやってきただけの人間に、全体戦略や情報システムの方まで任せている事例なども多いですが、大抵うまくいきません。⑴-⑶のすべての条件が揃っている、もしくは揃えられる人財がいるのであれば、ポジションに置きましょう。


②不足しているマネジャークラスの人間を、新規でキャリア採用する
⇒私が想うに、大抵の場合、①に適切な人財はいない方が多いのが実態だと考えます。①のところに記述した通り、中途半端な人財を登用するくらいなら社外から採用していきましょう。デジタルシフトにおけるポジションは複数に分けることもできますが、アナログな実情を持つ会社であれば優先順位としては「デジタルシフト全体を俯瞰的に考えることのできる人財」を採用できることがベストなのは事実です。これは実際になかなかいません(笑) ですが、IT系の人材募集に強みのある『Green』やハイクラス人財に強い『ビズリーチ』などであれば、そういった人財に出会える可能性は全然あります。普通の求人媒体や『Wantedly』などは会える人財の質的に厳しいと想う(『Wantedly』はエンジニア採用やメンバー(一般社員)クラスの採用であれば素敵な力を発揮します!)のと、自社がデジタル人財から見て「面白い」と感じられそうな要素に欠けるように想えるのであれば、余計に紹介会社にもこういった人財で募集した方が望みがあります。ズバリ募集の仕方は「CDO(最高デジタル責任者)候補募集」です。最低でも必要な年収は「750万円以上」くらいだと考えてください。企業のデジタルシフトを統括できる人財であればこの年収はちょっと安すぎるくらいですが、「候補」と銘打っているのでこんなものでしょう。デジタルシフト専門の経営企画室室長、特命係の社長室長を雇うようなつもりが合うかと想います。下手に安い給料で部分的にスキルのある人財を採用するなどの愚行をせずに適切な順序で、一時の無意味な安心のために動かないようにしていただければと考えます。

③不足しているポジションに外部人材を登用する
⇒採用が困難でなかなか進まない場合は同様のポジションにフリーランスを登用しましょう。採用が困難な要因(例えば、⑴頭が固くとてもやりづらそう、もしくは既得権益のような形でポジションについている幹部がいる ⑵コーポレートサイトなどのブランディングが古くダサい、いかにも経営を進化させようとしない空気が漂っている ⑶報酬が相場に比べて安すぎる、または何もない状態からやらなければならないのに相場程度でしかない ⑷いい人財が働きたい働き方の自由度がない ⑸ビジョンや理念がない、またはイケてない など)を解消できないのであれば、外部人材を登用しましょう。もっとも、フリーランスなどの方が費用は嵩みますし、会社に人としての財は残りません。それでも、知見と推進力のある人間によって会社の変革を短期間で推進したいのであれば、絶対的に必要な選択であると考えます。『サーキュレーション』や『Waris』のようなフリーランスのプロ人材を登用できる企業を頼ったり、弊社にご用命ください。このご時世、社内だけでどうにかしようとやるには少々必要な情報量が多すぎるのも事実です。本気で企業に変革をもたらしたいのであれば、必要なところに必要な人材をおけるように判断できる中心的な参謀をまずおきましょう。

自社にとって「適切な変革」という目的のために「適材適所」を創るために、最初に必要なのは部分最適にならないように会社の全体最適を考えられる参謀的な「CDO(最高デジタル責任者)」がいるととても楽です。もちろん、今の経営幹部にその機能を担える人間がいれば新しく登用することは不要だと想うのですが、多分そんな人財が一緒にいらっしゃる経営者の方であれば、この記事を最後まで読まれることはないと想いますので・・・(笑)

ただ、本気の経営者であれば、あっている間違っているという話は抜きにして、何かしらの手立てを打っている最中、もしくは準備をしている最中だと考えます。皆さんある意味少し見栄を張って「うちも既に取り組みはしている」とおっしゃるケースも多いですが、プロの目から見るとスタート時点でつまずいているケースがほとんどです。鵜呑みにする必要はないですが、ぜひ参考にした上で見直してみていただけると嬉しい限りです。あとで失敗を他責にしないためにも・・・

MiLAI Brain

『Digital Power Inside』 『MiLAI Brain』は、デジタル機能を自社に内製化したいすべての経営者様のためのメディアです。 上場前後の成長企業を中心に、デジタル部署の内製化をメインにお力添えしてきているリトルクラウドが発信するリアルな現場✖デジタルシフトの知見✖経営目線で実用的な情報をお届けして参ります。 デジタル機能の内製化に悩むあなたのブレーンとなるメディアへ。

Copel-デジタル経営コンサルタント

全国を股にかけ、アナログな業界のデジタルシフトに従事する株式会社リトルクラウドの経営コンサルタント、Copel。上場を視野に入れた複数社でのデジタルシフトに従事。新規事業開発から社内インフラの刷新、マーケティング戦略の立案やデータ分析体制の確立など多岐に亘ってのいわゆる『DX的業務』に貢献。DXとはチェンジマネジメントであるという経営視点からの認識と、広範囲を統括できる知識量、社内社外問わない卓越したリソースマネジメント手腕が高く評価されている。

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